障害年金を社労士に依頼するメリットとデメリット

障害年金の申請は、必要な書類が多く、制度も複雑なため、申請を考えている方の中には「社労士に依頼したほうがいいのか?」と悩む方も多いでしょう。社労士(社会保険労務士)は年金制度の専門家であり、障害年金の申請代行を行うことができますが、当然ながら依頼する場合の費用なども考慮する必要があります。

本記事では、障害年金を社労士に依頼するメリットとデメリットを詳しく解説し、ご自身の状況に合わせて適切な選択ができるようにお手伝いします。


(1) 申請がスムーズにできる

障害年金の申請は、提出書類の不備や初診日の証明不足などが原因で不支給になるケースが多くあります。特に認定基準の理解や適切な診断書の作成が重要であり、社労士に依頼するとこれらのポイントを押さえた申請が可能になります。

社労士は過去の実績をもとに、どのような記載が審査に通りやすいかを熟知しているため、結果的に受給の可能性が高まります。

(2) 書類作成の負担を軽減できる

障害年金の申請には、以下のような多くの書類が必要です。

  • 年金請求書
  • 診断書(医師に記載を依頼)
  • 病歴・就労状況等申立書(ご自身の病状や日常生活への影響を詳細に記載)
  • 初診日を証明する書類(受診状況等証明書など)

これらの書類を一人で準備するのは大変ですが、社労士に依頼すれば書類の作成を代行してくれるため、申請者の負担が大きく軽減されます。

(3) 医師への診断書作成の依頼をサポートしてもらえる

障害年金の審査では、診断書の内容が最も重要とされています。しかし、医師は障害年金の認定基準に詳しくないことが多いため、適切な内容が記載されていないケースがあります。

社労士に依頼すると、診断書の記載内容について医師に適切なアドバイスを提供してもらえます。これにより、障害の実態に即した診断書を作成してもらうことができ、審査で有利になります。

(4) 不支給になった場合の再申請や審査請求もサポート

もし申請が却下された場合でも、社労士は再申請や審査請求(不服申し立て)の手続きをサポートしてくれます。不支給になった理由を分析し、再申請時に必要な改善点を指摘してもらえるため、受給の可能性を高めることができます。

(5) 時間と手間を大幅に削減できる

障害年金の申請には、病院や年金事務所への問い合わせ、書類作成など多くの時間と手間がかかります。仕事や治療で忙しい方、精神的・身体的に負担を感じる方にとっては、社労士に依頼することで大きな負担軽減になります。


(1) 費用がかかる

社労士に依頼する最大のデメリットは、費用がかかることです。一般的な料金体系としては、以下のような報酬形態が多く見られます。

  • 着手金:無料~5万円程度(社労士による)
  • 成果報酬:受給決定後に年金の2~3か月分程度(または初回振込額の10~20%)

例えば、障害基礎年金2級(年間約80万円)を受給できた場合、成果報酬として15万円程度かかるケースが一般的です。金銭的な負担を考慮する必要があります。

(2) 社労士によって対応の質が異なる

社労士の中でも、障害年金の申請に特化した専門家もいれば、社会保険全般を扱う社労士もいます。そのため、経験豊富な社労士に依頼することが重要です。

契約前に「過去の実績」や「対応の詳細」を確認し、信頼できる社労士かどうかを見極める必要があります。

(3) 自分で進めたい場合には不向き

「自分で手続きを進めたい」「手続きの詳細を把握したい」という方には、社労士に依頼することがデメリットになることもあります。依頼すると、書類作成や年金事務所とのやり取りをすべて社労士が代行するため、申請の詳細な流れを把握しづらくなることもあります。


では、実際に社労士に依頼すべきかどうか、判断するためのポイントをいくつか紹介します。

社労士に依頼したほうがよいケース

初診日が古く、証明が難しい
過去に年金が不支給になったことがある
病歴・就労状況等申立書を自分で書くのが難しい
仕事や病気のため、自分で申請する時間や体力がない
認定基準や必要書類について詳しく調べるのが大変

自分で申請を検討してもよいケース

初診日が明確で、病院の証明がすぐに取れる
診断書を適切に記載してもらえる医師がいる
年金事務所のサポートを受けながら申請できる
費用を抑えたいので、できる限り自分で進めたい


障害年金を社労士に依頼するメリットは、申請がスムーズにできる、手間が大幅に減ることが挙げられます。一方で、費用がかかること、対応の質が社労士によって異なることがデメリットです。

特に、初診日の証明が困難な場合や過去に申請を却下された場合は、社労士のサポートを受けることで受給できる可能性が高くなります。自分の状況に応じて、適切な方法を選択するようにしましょう。

障害年金の申請についてお悩みの方は、一度社労士に相談してみるのもおすすめです。