どんな病気が障害年金の対象になるのか?一覧とポイント解説
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事に支障が出た場合に受け取れる年金制度です。
しかし、実際に「どんな病気が対象になるのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、障害年金の対象となる主な病気を種類別にご紹介し、申請の際のポイントも解説します。自分やご家族が対象になるかを確認する際の参考にしてください。
◆ 障害年金の対象になる病気とは?
障害年金では、特定の病気だけが対象になるわけではなく、その病気やけがによって「どの程度、生活や就労に支障が出ているか」が重視されます。
つまり、同じ病名でも、症状の程度によって対象になるかどうかは異なります。
◆ 障害年金の対象となる主な病気(一覧)
以下は、日本年金機構が公表している「障害認定基準」に基づき、実際に多く申請されている病気の一例です。大まかに分類してご紹介します。
【1】精神の障害
- 統合失調症
- うつ病(気分障害、双極性障害など)
- 発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD など)
- 知的障害
- 高次脳機能障害
- 適応障害(重度の場合)
ポイント:
精神疾患は「日常生活にどの程度支障があるか」が判断基準となります。診断名よりも生活の困難度が重要です。
【2】神経・脳の障害
- 脳梗塞・脳出血の後遺症(半身麻痺など)
- パーキンソン病
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)
- 多発性硬化症
- 脊髄小脳変性症
- てんかん
ポイント:
「麻痺」「言語障害」「歩行困難」などの症状がある場合は対象になりやすいです。
【3】目・耳・言語の障害
- 視力障害(失明、視野狭窄)
- 聴力障害(難聴)
- 音声機能の障害(発声不能など)
- 言語障害(失語症など)
ポイント:
視力や聴力は、両眼・両耳での障害が対象。数値的な基準も明確に定められています。
【4】肢体の障害(手足などの運動機能)
- 四肢麻痺、片麻痺、対麻痺
- 関節拘縮
- 切断・離断
- 人工関節・義肢装着
ポイント:
「歩行」「着替え」「食事」などの日常動作に支障があるかが判断のカギです。
【5】内部障害(目に見えない臓器の障害)
- 心臓病(心筋症、不整脈、心不全など)
- 腎臓病(慢性腎不全、人工透析中)
- 肝臓病(肝硬変、肝炎など)
- 呼吸器疾患(肺線維症、COPDなど)
- 糖尿病による合併症(網膜症、腎症、神経障害など)
- 膠原病(SLE、関節リウマチなど)
ポイント:
数値基準や治療の状況(透析・ペースメーカーなど)で認定されることが多いです。
◆ 申請で注意したいポイント
① 病名だけで判断しない
「この病気だから申請できる/できない」とは限りません。
同じ診断名でも症状の重さや生活への影響は個人差があるため、日常生活でどれだけ困っているかが重要です。
② 初診日の特定が重要
障害年金では「いつ最初にその病気で医療機関を受診したか(初診日)」が、申請の出発点になります。
初診日によって、年金の種類(国民年金・厚生年金)や受給資格が決まるため、通院歴の整理はとても大切です。
③ 症状が軽くても諦めない
「今は通院していない」「病名が軽いから無理かも」と思っている方でも、実際には支給されているケースがあります。
症状の内容や生活状況が等級に該当すれば受給できる可能性があります。
◆ よくあるご相談
Q. 「うつ病」でも障害年金はもらえるの?
A. はい、可能です。
うつ病などの精神疾患でも、日常生活に支障がある場合には障害年金の対象になります。病名よりも生活への影響度が重視されます。
Q. 「糖尿病」は対象になりますか?
A. 単独では認定が難しいこともありますが、合併症がある場合(腎症や失明など)には対象になる可能性があります。
Q. 高齢で発症した場合は申請できない?
A. 65歳未満で初診日がある場合であれば申請可能です。
65歳以降に初診日がある場合は障害年金の対象外になります。
◆ まとめ|対象となる病気は幅広く、生活への影響がカギ
障害年金の対象となる病気は非常に多岐にわたり、目に見えない症状や精神疾患も対象になります。
大切なのは、病名ではなく「どれだけ生活や就労に支障が出ているか」という視点です。
「自分の病気は対象になるのか分からない」という方は、一人で悩まず、ぜひ専門家へご相談ください。
当事務所では無料相談を実施しております。お気軽にお問い合わせください。