障害年金の申請を考えたらまずやるべきこと5選

「障害年金を申請したいけど、何から始めればいいのかわからない…」

そんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に支障が出たとき、一定の要件を満たせば支給される公的年金制度です。

しかし、申請の手続きはやや複雑で、間違った準備をしてしまうと、せっかくの権利を受け取れないことも…。
今回は、障害年金の申請を考えたときに、まずやるべきことを5つに絞ってわかりやすく解説します。


障害年金を受け取るためには、まず以下の3つの基本的な条件を満たしているかを確認する必要があります。

✅ ① 初診日が明確であること

「障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日」が初診日です。この初診日が制度の大きな基準となります。

✅ ② 初診日に年金制度に加入していたこと

  • 国民年金に加入中(自営業や無職など)
  • 厚生年金に加入中(会社員や公務員など)

どちらかに加入している必要があります。

✅ ③ 保険料の納付要件を満たしていること

初診日の前日において、以下のいずれかを満たしていなければなりません。

  • 初診日の前々月までの直近1年間に、未納がない
  • または、20歳以降の加入期間のうち、2/3以上が納付済または免除期間

この段階で不安な点があれば、まずは年金事務所や専門の社労士に相談してみましょう。


障害年金の申請で最も大切なポイントの一つが「初診日をどうやって証明するか」です。

初診日を証明するためには…

  • 初診となった病院で「受診状況等証明書」を発行してもらう
  • もし病院が閉院している・カルテが残っていない場合は、その次に通った病院の「受診状況等証明書」や「診療録」、健康保険証の記録などを使って補強します。

初診日が不明確だと、そもそも障害年金の審査に進むことができません。
この段階で早めに行動を起こすことが、スムーズな申請への第一歩です。


障害年金の認定は、「医師の診断書」を基に行われます。
そのため、どのタイミングで、どの内容の診断書を、誰に依頼するかがとても重要になります。

診断書を依頼する前に準備しておきたいこと

  • 障害年金用の診断書の様式を用意する(障害の種類により様式が異なる)
  • 医師に「日常生活や仕事で困っていること」をわかりやすく伝えるメモを作成
  • 医師が障害の状態を正しく理解できるように、通院時の様子や困難な行動について記録を残す

診断書の内容次第で、等級が変わるどころか不支給になることもあるため、ここは慎重に対応しましょう。


診断書と同じくらい大事なのが「病歴・就労状況等申立書」です。
これは、あなたがどのような経緯で障害を負い、日常生活や仕事にどの程度の支障が出ているのかを、自分の言葉で記載する書類です。

書くときのポイント

  • 時系列を整理する(発症から現在までの流れ)
  • 日常生活の困りごとを具体的に書く(例:「調理中に火をつけっぱなしにする」「外出時に不安が強く、一人で行動できない」など)
  • 働いていた時期がある場合は、仕事内容・勤務時間・配慮された内容も記載

この書類であなたの生活の困難さがしっかり伝わることが、障害年金受給へのカギとなります。


障害年金の申請には、多くの書類が必要です。以下は、一般的な申請に必要な主な書類です。

必要書類チェックリスト(例)

  • 障害年金裁定請求書
  • 年金手帳や基礎年金番号通知書
  • 医師の診断書(障害年金用)
  • 受診状況等証明書(初診日を証明する書類)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 戸籍謄本または住民票(世帯全員分が必要な場合も)
  • 預金通帳のコピー(年金受取口座)
  • 身分証明書のコピー(マイナンバーカードや運転免許証など)

書類の準備には時間がかかるため、早め早めの行動が大切です。特に病院での診断書の作成には数週間かかることも多いため、余裕を持って依頼しましょう。


障害年金の申請は、決して簡単な作業ではありません。しかし、正しい手順を踏んで、必要な準備をしっかり行えば、決して難しいものでもありません。

今回ご紹介した「やるべきこと5選」

  1. 自分が対象となるか確認する
  2. 初診日を証明する準備をする
  3. 診断書を依頼するための準備をする
  4. 病歴・就労状況等申立書を整理する
  5. 必要書類をリストアップして集め始める

「何から始めればいいかわからない…」という方は、一人で悩まず、障害年金の専門家である社労士に相談してみることをおすすめします。 あなたの状況に合わせて、申請までのスムーズな道のりをご提案いたします。