初診日が10年以上前でも障害年金は申請できる?
障害年金を申請する際に「初診日」が重要な要件の一つとなります。しかし、「初診日が10年以上前の場合でも申請できるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、初診日が10年以上前でも障害年金を申請することは可能 です。ただし、いくつかの条件や注意点があります。本記事では、初診日が10年以上前でも申請できるケースや、申請時のポイントについて詳しく解説します。
1. 障害年金の申請における「初診日」とは?
障害年金の申請では、「初診日」という概念が非常に重要です。初診日とは、障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関を受診した日 を指します。
初診日は、次の2つの要件に関わります。
- 加入要件 …初診日が国民年金や厚生年金に加入していた期間内であること
- 保険料納付要件 …初診日の時点で、一定の期間、年金保険料を納めていること
初診日が10年以上前であっても、これらの要件を満たしていれば、障害年金の申請は可能です。
2. 初診日が10年以上前でも障害年金を申請できるケース
初診日が古くても、次のような場合には障害年金を申請することができます。
(1)障害認定日時点での障害の程度が基準を満たしている場合
障害年金には「障害認定日」という基準日があり、通常は初診日から1年6か月後の時点の障害の程度で判断されます。
✅ ポイント
- もし 障害認定日時点で障害等級に該当している 場合、障害認定日請求が可能です。
- ただし、障害認定日から現在までの間に症状が悪化している場合 は、事後重症請求も可能です。
(2)事後重症請求が可能な場合
事後重症請求とは、障害認定日時点では障害等級に該当しなかったが、その後症状が悪化して申請するケース です。
✅ ポイント
- 現在の障害状態が障害等級に該当している ことが必要
- 初診日が10年以上前でも、現在の障害状態を証明できれば申請可能
(3)初診日を証明できる場合
初診日が10年以上前であっても、初診日を証明できる書類があれば申請可能 です。
✅ 初診日を証明する方法
- 受診状況等証明書(通院していた医療機関で取得)
- 診療記録のある書類(診察券や入院記録など)
- 第三者証明(知人の証言による書類)
初診日を証明できなければ、申請自体が難しくなるため、できる限り証拠を集めることが大切です。
3. 初診日が古い場合の注意点
初診日が10年以上前の場合、申請にはいくつかの注意点があります。
(1)カルテが残っていない可能性がある
病院のカルテの保存期間は5年程度であることが多く、10年以上前のカルテは廃棄されているケースが多いです。その場合、受診状況等証明書の取得が難しくなる ため、他の証拠を集める必要があります。
📌 対策
- ほかの病院の診療記録を探す
- 健康診断の記録を確認する
- 会社の健康保険の履歴を確認する
(2)第三者証明が必要になる場合がある
もし医療機関で初診日を証明できない場合、知人による第三者証明 が求められることがあります。
✅ 第三者証明のポイント
- 証明者は 当時の状況を知っている人(同僚・友人) であること
- 申立書に 当時の状況や受診した経緯を具体的に記載する
- できれば 複数人の証明を用意する
(3)保険料納付要件を満たしているか確認
初診日が10年以上前の場合、その時点で年金保険料を納付していたかどうかが重要です。年金記録を確認し、2/3要件または直近1年要件を満たしているか をチェックしましょう。
✅ 年金納付要件
- 初診日の前々月までに 3分の2以上の期間で年金を納付
- 直近1年間の期間で年金を納付または免除
もし未納期間がある場合、年金事務所に相談し、対応策を検討しましょう。
4. まとめ
✅ 初診日が10年以上前でも障害年金の申請は可能 ✅ 障害認定日請求や事後重症請求ができる場合がある ✅ 初診日を証明する書類を集めることが重要 ✅ カルテがない場合は第三者証明を活用する ✅ 保険料納付要件を満たしているか事前に確認
初診日が古くても、適切な書類を準備すれば障害年金の申請は可能です。申請を検討している方は、まず初診日の証明ができるかどうかを確認し、必要な書類を準備しましょう。
もし申請に不安がある場合は、社労士など専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。