障害年金の種類と受給要件を詳しく解説!

障害年金は、病気やケガによって働くことが難しくなった方や生活に支障がある方を支える重要な公的制度です。しかし、「障害年金にはどんな種類があるの?」「自分は受給できるの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、障害年金の種類と受給要件について詳しく解説します。これを読めば、自分や家族が障害年金を受給できるかどうかの判断材料になるはずです。

障害年金には、大きく分けて次の2種類があります。

1-1. 障害基礎年金

障害基礎年金は、主に国民年金に加入している方が対象となる年金です。自営業者、学生、専業主婦(夫)などが該当します。

対象者

  • 初診日が国民年金加入中であること
  • 障害等級が1級または2級に該当すること

受給額(2025年度)

  • 1級:約103万円/年(月額約8.6万円)
  • 2級:約83万円/年(月額約6.9万円)
  • 子どもがいる場合は加算あり(第1子・第2子:各約22万円/年、第3子以降:約7万円/年)

1-2. 障害厚生年金

障害厚生年金は、厚生年金に加入している方(会社員・公務員)が対象となる年金です。障害基礎年金とは異なり、3級まで受給可能です。

対象者

  • 初診日が厚生年金加入中であること
  • 障害等級が1級・2級・3級に該当すること

受給額

  • 1級・2級:障害基礎年金に「報酬比例部分」が上乗せされる
  • 3級:報酬比例部分のみ(最低保証額約59万円/年)
  • 一定の条件を満たせば「障害手当金(一時金)」が支給されることもある

1-3. 障害手当金(厚生年金独自の制度)

障害手当金は、障害厚生年金の対象となる方のうち、傷病が治ったものであって、一定の障害がある方に支給される一時金です。

受給額

  • 報酬比例部分の2年分が一括支給
  • その後の継続支給はなし

障害年金を受給するためには、以下の3つの要件を満たしている必要があります。

2-1. 初診日の要件

障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関を受診した日(初診日)が、公的年金の加入期間中であることが必要です。

例えば、20歳の学生がうつ病を発症し、初めて病院を受診した場合、その時点で国民年金に加入していれば、障害基礎年金の対象となります。

2-2. 保険料納付要件

障害年金を受給するには、一定期間、年金保険料を納めている必要があります。

条件(以下のいずれかを満たすこと)

  1. 初診日のある月の2か月前までの加入期間のうち、3分の2以上の期間の保険料を納付している
  2. 初診日の前々月までの1年間に未納期間がない(特例適用あり)

納付要件を満たしていない場合、たとえ重度の障害になっても受給できません。保険料の未納がないよう注意が必要です。

2-3. 障害の程度(障害等級)

障害年金は、障害の程度に応じて受給の可否が決まります。

【障害基礎年金の等級】

  • 1級:ほぼ寝たきりで日常生活のすべてに介助が必要
  • 2級:単独での日常生活が困難(例:精神疾患、人工透析、視覚障害など)

【障害厚生年金の等級】

  • 1級・2級:障害基礎年金と同じ基準
  • 3級:労働に支障がある程度(例:片手・片足の機能喪失、軽度の視覚障害など)

障害年金を受給するためには、申請が必要です。以下の手順で手続きを進めます。

  1. 初診日の証明を取得(受診した病院で「受診状況等証明書」をもらう)
  2. 診断書の準備(医師に記入してもらう)
  3. 病歴・就労状況等申立書の作成(本人が記入)
  4. 年金請求書の提出(年金事務所・市区町村窓口へ)
  5. 審査結果の通知(約3〜6か月)

申請書類の不備があると審査が長引いたり、不支給になることもあるため、慎重に準備しましょう。

Q1. 精神疾患(うつ病・統合失調症)でも受給できる?

はい。精神疾患でも障害等級に該当すれば、障害年金を受給できます。特に、長期にわたり治療が必要な場合や日常生活に支障がある場合は、受給できる可能性が高いです。

Q2. 申請が難しい場合、専門家に相談できる?

はい。障害年金の申請は複雑なため、社会保険労務士(社労士)に相談することで、スムーズに手続きを進められます。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、受給するためには「初診日」「保険料納付」「障害等級」の3つの要件を満たす必要があります。

申請手続きは複雑ですが、適切な準備をすれば受給できる可能性が高まります。もし障害年金の申請を考えている場合は、早めに情報収集をして準備を進めましょう。