過去に障害年金を申請して不支給になった場合の再申請方法
障害年金を申請したにもかかわらず、「不支給決定通知」が届いたときのショックは非常に大きいものです。多くの方が、「もう申請しても無駄なのではないか」「自分は対象ではないのだろう」と諦めてしまいがちです。
しかし、不支給になったとしても、状況に応じて再申請(再請求)することは可能です。実際に、初回で不支給だった方が、再申請によって支給が認められるケースも多数存在します。
今回は、「障害年金が不支給になってしまった方」向けに、再申請の方法と成功のポイントを解説します。
不支給の主な理由とは?
まず、再申請を検討する前に、なぜ前回の申請で不支給になったのかを正確に把握することが大切です。不支給の理由によって、再申請の方針が大きく変わるからです。
よくある不支給理由
- 初診日の証明ができなかった
- 保険料納付要件を満たしていなかった
- 診断書の内容が認定基準に達していなかった
- 日常生活の困難さが伝わっていなかった
- 就労状況や申立書の内容が矛盾していた
- 障害認定日に該当する障害の状態でなかった
年金機構から届く「不支給決定通知書」にも記載がありますが、簡素な表現が多く、具体的にどこが問題だったのかが分かりづらいことも少なくありません。
このようなときは、不支給理由の開示請求(情報開示請求)を行うことができます。これにより、どの部分が審査上の問題だったかを把握しやすくなります。
再申請と再審査請求の違い
障害年金の申請に関して、混同しやすいのが「再申請(再請求)」と「再審査請求」の違いです。
区分 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
再申請(再請求) | 不支給決定後、改めて最初から申請し直す手続き | 状態が悪化した/書類を修正して出し直す場合など |
再審査請求 | 不支給決定に不服がある場合に審査請求を行う | 原則として60日以内に申し立てが必要 |
再申請が向いているケース
- 初診日の証明が新たに取れた
- 症状が悪化した
- 医師が診断書の記載内容を見直してくれた
- 生活状況の実態が書類で明確になった
一方、審査請求や再審査請求は法的手続きであるため、専門的な知識が必要になります。状況によっては、再申請の方が現実的で効果的な場合もあります。
再申請のポイント5選
1. 初診日の証明を見直す
初診日が曖昧なままだと、保険料納付要件の確認ができず、不支給になるケースがあります。
- 以前は取得できなかった「受診状況等証明書」が、再度の問い合わせで取得できる場合あり
- 医療機関を変えていた場合、他院のカルテや紹介状が手がかりに
- 健康保険の利用履歴や会社の休職記録なども、初診日の裏付けとなることがあります
2. 診断書の内容を精査・更新する
前回の診断書が実際の状態より軽く記載されていた、もしくは記載に漏れがあった場合、主治医と相談のうえ、より実態に即した診断書を再作成してもらうことが重要です。
- 精神疾患なら、日常生活の支障レベル(例:買い物ができない、対人関係の困難など)
- 身体障害なら、具体的な動作制限(例:歩行距離、両手の使用可否など)
診断書の内容が改善されることで、認定の可能性が一気に高まることもあります。
3. 病歴・就労状況等申立書を具体的にする
この申立書は、ご本人の生活実態を伝える非常に重要な書類です。再申請時には、以下のような工夫をしましょう。
- 「できないこと」と「支援が必要な場面」を具体的に記載
- 状況の変化(悪化や仕事を辞めたなど)をしっかり伝える
- 支援者(家族・支援員など)からの意見も参考に
書き方によって結果が大きく変わるため、社労士などの専門家に添削してもらうのがベストです。
4. 就労している場合の説明を丁寧に
前回の申請時に「働いている=支障がない」と判断されて不支給になった場合は、就労状況の補足説明が欠かせません。
- 就労日数や時間、職場の配慮内容
- 体調不良による欠勤や通院のための早退状況
- 障害者雇用枠であることの明示
働いていても支給が認められるケースは多々あります。誤解を生まないよう、丁寧な記述を心がけましょう。
5. 状況の変化があれば「事後重症請求」を検討
前回の申請時点では等級に該当しなかったが、症状が進行・悪化している場合は「事後重症請求」が可能です。
- 新たな診断や入院歴がある
- 生活への影響が強くなった
- 就労が困難になった
このような変化があった場合は、初回とは異なる内容で再申請することに意味があります。
再申請は専門家に相談を!
不支給後の再申請は、前回の失敗の原因をしっかり見極めたうえで、適切な改善策を講じて書類を整えることが大切です。しかし、ご本人やご家族だけで行うには限界があることも多く、専門的な視点からアドバイスが必要になることがあります。
障害年金専門の社会保険労務士に依頼することで、
- 書類の不備を防ぐ
- 審査に通りやすい表現で作成できる
- 医師との連携や助言もスムーズになる
といった大きなメリットがあります。
まとめ|諦めず、次の一歩を踏み出しましょう
障害年金が不支給になったからといって、受給の道が完全に閉ざされたわけではありません。
むしろ、不支給の理由を正確に分析し、しっかりとした対策を講じたうえで再申請すれば、支給に至る可能性は十分にあります。
「前回は失敗したけれど、今度こそはきちんと準備して申請したい」という方は、ぜひ障害年金の専門家にご相談ください。あなたに最適な申請方法を一緒に考え、全力でサポートいたします。