障害年金は何歳まで受給できる?受給期間と更新のポイント
障害年金を受給している方、あるいはこれから申請を考えている方にとって、「障害年金はいつまで受給できるのか?」という疑問はとても重要です。
年金というと「老齢年金のように一定の年齢になったら自動的に支給される」というイメージがあるかもしれませんが、障害年金は年齢や障害の状態に応じて支給の仕組みが異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
今回は、障害年金の受給期間や年齢制限の有無、そして定期的な「更新」のポイントについてわかりやすく解説します。
1. 障害年金は何歳まで受給できるの?
結論から言えば、障害年金には明確な「年齢制限による打ち切り」はありません。
ただし、受給にはいくつかのポイントがあるため、それぞれのケースを見てみましょう。
■ 障害基礎年金(国民年金加入者)
障害基礎年金は、原則として障害の状態が続く限り、生涯にわたって支給されます。
ただし、65歳以降に新規で申請することはできません(初診日が65歳到達日以降である場合は不可)。あくまで初診日が65歳未満であることが受給資格の条件です。
例)20歳で統合失調症を発症→障害の程度が続いていれば何歳になっても支給対象。
■ 障害厚生年金(厚生年金加入者)
厚生年金に加入していた方は、障害厚生年金が支給されます。こちらも原則として障害状態が続いている限り受給できます。こちらも新規申請の条件は65歳未満の初診日であることが必要です。
2. 支給が打ち切られるケースとは?
障害年金は一度認定されれば永続的に支給されるわけではありません。以下のような場合に支給停止や打ち切りとなる可能性があります。
① 障害の状態が軽くなった場合
定期的な「障害状態確認(更新)」により、医師の診断書を提出した結果、障害等級に該当しないと判断された場合は、支給が停止されることがあります。
特に精神疾患や内臓疾患などで病状が変化しやすい場合には注意が必要です。
② 更新手続きを怠った場合
障害年金は「有期認定」が多く、一定期間ごとに更新手続きを行わなければなりません。診断書の提出が遅れたり、不備があると支給が止まることもあるため、期限はしっかりと確認しておきましょう。
③ 老齢年金との関係
65歳以降は老齢年金の受給が開始されるため、障害年金と老齢年金のどちらか一方のみ選択することになる場合があります(併給が認められない場合)。
ただし、「障害基礎年金と老齢厚生年金」は併給可能など、組み合わせにより異なるため、個別に確認が必要です。
3. 障害年金の更新とは?その流れと注意点
障害年金の受給者の多くは「有期認定」となり、1~5年ごとに障害の状態を確認するための更新が必要になります。
■ 更新の流れ
- 日本年金機構から「診断書用紙」が送られてくる
- かかりつけ医に診断書を記入してもらう
- 期限内に提出する(通常は誕生月の末日)
- 日本年金機構が審査し、等級を判定
- そのまま継続/等級変更/支給停止のいずれかが決定
■ 更新時のポイント
- 診断書は丁寧に依頼しましょう
→ 普段の状態をしっかり反映してもらうことが重要です。 - 生活状況も書類で伝えると効果的
→ 別紙の添付も検討しましょう。 - 期限を厳守すること
→ 診断書の提出遅れによる支給停止は意外と多いトラブルのひとつです。
4. 永久認定(更新が不要なケース)もある
障害の状態が固定している場合などは、「永久認定」として更新不要になるケースもあります。
たとえば、以下のようなケースでは永久認定がされる可能性があります:
- 両眼失明
- 両手両足の切断
- 重度の知的障害で状態が変化しにくい場合
ただし、これはあくまで審査による判断となるため、最初から永久認定になるとは限りません。
5. まとめ|障害年金は長期的な制度。更新と確認を忘れずに
障害年金は、障害の程度が該当する限り何歳まででも受給可能な制度です。ただし、「更新」や「障害状態の変化」に応じて、支給が見直されることもあります。
✅ 本記事のポイント
- 障害年金は原則として障害が続く限り受給可能
- 65歳以降に新規申請はできない
- 一定期間ごとの更新(診断書提出)を怠ると支給停止のリスク
- 老齢年金との関係にも注意
障害年金の制度は複雑で、申請後も更新や手続きが続きます。不安がある方は、障害年金に詳しい社会保険労務士に相談することで、受給の継続や支給停止リスクを減らすことができます。
必要な情報を定期的に確認しながら、安心して障害年金を活用していきましょう。