障害年金の「認定基準」とは?審査のポイントを解説!

障害年金を申請する際に重要となるのが「認定基準」です。障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方が受給できる制度ですが、単に病名がついただけでは受給できるわけではありません。

実際の審査では、障害の程度が「認定基準」に該当するかどうかが厳しくチェックされます。本記事では、障害年金の認定基準とは何か、審査のポイントについて詳しく解説します。


障害年金の認定基準とは、「どの程度の障害であれば障害年金の支給対象となるのか」を判断するための基準です。

この基準は、厚生労働省が定めた「障害認定基準」に基づき、日本年金機構が審査を行います。基準には、障害の種類ごとの具体的な等級区分認定のための評価基準 などが細かく定められています。

障害年金の等級

障害年金は、障害の重さに応じて 1級、2級、3級(厚生年金のみ) に分かれています。

  • 1級:日常生活のほぼ全てに介助が必要な状態
  • 2級:必ずしも介助は必要ないが、日常生活に著しい制限がある状態
  • 3級(厚生年金のみ):労働が著しく制限される状態

国民年金(障害基礎年金)は1級・2級のみが対象で、3級はありません。


障害認定基準では、病気やケガの種類ごとに具体的な認定基準が定められています。

(1)精神疾患・知的障害の基準

統合失調症、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、知的障害などが該当します。

  • 1級:常時介護が必要で、意思疎通がほぼ困難
  • 2級:日常生活が著しく制限されており、単独では生活できない
  • 3級(厚生年金のみ):労働に著しい制限がある

(2)肢体障害の基準

手足の麻痺や切断などが該当します。

  • 1級:両上肢または両下肢の機能を全く失った状態
  • 2級:片手または片足の機能をほぼ失った状態
  • 3級(厚生年金のみ):特定の動作に大きな支障がある

(3)内部障害の基準

心臓・腎臓・呼吸器・肝臓などの障害が該当します。

  • 1級:日常生活のほぼ全てで介助が必要
  • 2級:軽い動作でも症状が悪化し、日常生活に支障がある
  • 3級(厚生年金のみ):重労働ができないが、軽作業は可能

その他にも、視覚障害、聴覚障害、言語障害など、それぞれの障害ごとに認定基準が細かく定められています。


障害年金の申請が通るかどうかは、単に診断書を提出するだけでは決まりません。以下のポイントが重要視されます。

(1)診断書の記載内容

診断書の内容は、審査において最も重要な要素です。特に、障害の程度が認定基準に該当していることが具体的に記載されているか が問われます。

💡 ポイント

  • 記載漏れや簡単な表現ではなく、具体的な症状や日常生活への影響を詳細に記入してもらう
  • 医師に、障害年金の認定基準を理解してもらった上で記入を依頼する

(2)病歴・就労状況等申立書の内容

「病歴・就労状況等申立書」は、申請者がどのような経緯で障害を負ったのかを説明する重要な書類です。

💡 ポイント

  • 初診日から現在までの病状の変化を詳細に書く
  • 日常生活や仕事への影響を、具体的なエピソードを交えて説明する

(3)初診日の証明

障害年金の受給資格を満たすには、「初診日」が重要なポイントになります。

💡 ポイント

  • 初診日の病院が廃業している場合、ほかの医療機関の記録や第三者証明を準備する
  • 診療録や紹介状などの証拠を揃える

(4)日常生活への影響

審査では、障害がどの程度日常生活に影響を与えているのかが重視されます。

💡 ポイント

  • 具体的な支障(食事、入浴、買い物、仕事など)を詳細に記載する
  • 介助の必要性がある場合、その頻度や内容を明確にする

障害年金の「認定基準」とは、どの程度の障害で受給できるかを判断するための基準です。審査では、障害の種類ごとに細かく決められた基準に基づいて審査が行われます。

申請時に押さえておくべきポイント ✅ 診断書の記載内容が認定基準に沿っていること
✅ 病歴・就労状況等申立書で具体的な影響を説明すること
✅ 初診日の証明を確実に用意すること
✅ 日常生活への影響を具体的に伝えること

認定基準をしっかり理解し、必要な準備を整えることで、障害年金の受給がスムーズに進む可能性が高まります。書類の準備に不安がある場合は、障害年金専門の社労士に相談するのも一つの方法です。

障害年金が受給できるように、正しい情報と準備をしっかり整えましょう!